「よし、AIでかわいい女の子を描くぞ!」と意気込んでプロンプトを入力したのに、出てきた画像が「なんか違う…」「手が変…」「全体的にぼんやりしてる…」なんて経験、ありませんか?
画像生成AIを使い始めたばかりの頃は、思い通りの画像がなかなか作れず、悩んでしまうことも多いですよね。特に、顔や手の描写が崩れてしまったり、意図しないものが描かれてしまったりするのは、「画像生成AIあるある」かもしれません。
でも、安心してください!その「なんか変…」な画像を劇的に改善できる強力なテクニックがあります。それが「ネガティブプロンプト」です。
この記事では、
- ネガティブプロンプトってそもそも何?なぜ重要なの?
- どんな「NGワード」を入れたらいいの?(コピペOK!)
- どうやって使えば効果的なの?
- 使う上での注意点は?
といった、画像生成AI初心者が抱えるネガティブプロンプトに関する疑問を、基礎から徹底的に解説していきます。
この記事を読めば、あなたもネガティブプロンプトを使いこなし、「変な画像」の生成を回避して、理想のかわいい女の子イラストのクオリティをグンと引き上げられるようになりますよ!
「そもそも画像生成AIってどういう仕組みなの?」という方は、まずこちらの記事で基本を理解しておくと、よりスムーズに読み進められます。 ➡️ 【超図解】画像生成AIってどんな仕組み?イラストが作れる理由を分かりやすく解説※後日投稿
「プロンプトとか、他の専門用語もよく分からない…」という方は、こちらの用語解説も参考にしてくださいね。 ➡️ 【画像生成AIの基本用語】プロンプト・ネガティブプロンプト・Seed値とは?意味と役割を初心者向けに解説
なぜネガティブプロンプトが重要なのか?
まずは、「なぜネガティブプロンプトがそんなに大切なの?」という疑問にお答えします。
AIは「何をしないか」を具体的に指示する必要がある
私たちが普段AIに入力する「こう描いてほしい」という指示(プロンプト)は、いわば「ポジティブプロンプト」です。例えば、「かわいいアニメ風の女の子、銀髪ロング、青い目、笑顔、制服」といった具合ですね。
しかし、AIは時に、私たちの指示を「拡大解釈」したり、学習データに含まれていた「望ましくない要素」を勝手に付け加えてしまったりすることがあります。例えば、「イラスト」と指示しただけだと、低品質な落書き風のイラストや、写真のようなリアルな画像が生成されてしまう可能性もあるのです。
そこで活躍するのが「ネガティブプロンプト」です。これは、ポジティブプロンプトとは逆に、「こういう要素は描かないでほしい」「こういう表現は避けてほしい」という、言わば「除外指示」です。
AIに対して、「こういうのはダメだよ」と具体的に教えてあげることで、AIが「やってはいけないこと」を理解し、より私たちの意図に沿った、クオリティの高い画像を生成してくれるようになるのです。
具体的な失敗例とネガティブプロンプトの効果
言葉だけでは分かりにくいので、具体的な失敗例と、ネガティブプロンプトによってどのように改善されるかを見てみましょう。
- 失敗例1:指が6本ある、手がぐちゃぐちゃ…
- 原因: AIは人体の構造、特に複雑な手の形を正確に描くのが苦手です。
- ネガティブプロンプトでの対策:
bad hands
,extra fingers
,mutated hands
などの「描いてほしくない手の状態」を指定することで、おかしな手の生成を防ぎます。
- 失敗例2:全体的にぼやけていて、低品質な感じがする…
- 原因: 指示が曖昧だったり、AIが学習したデータの中に低品質な画像が含まれていたりするためです。
- ネガティブプロンプトでの対策:
worst quality
,low quality
,blurry
,jpeg artifacts
などの「低品質を示す言葉」を指定することで、AIに高品質な画像を生成するように促します。品質向上プロンプト(masterpiece
など)と組み合わせるとさらに効果的です。
- 失敗例3:サインや文字が入ってしまう、絵柄がリアルすぎる…
- 原因: AIが学習データに含まれていたサインや文字を再現してしまったり、画風の指示が不十分だったりするためです。
- ネガティブプロンプトでの対策:
signature
,watermark
,text
,username
を指定して不要な文字を除去したり、photorealistic
,realistic
を指定してアニメ・イラスト風の画風を強調したりします。
このように、ネガティブプロンプトは、AI画像生成で起こりがちな様々な問題を回避し、クオリティを向上させるために不可欠なテクニックなのです。
基本的なプロンプトの書き方については、こちらの記事も参考にしてみてください。 ➡️ コピペOK!理想の女の子を作るための基本プロンプトテンプレート集
画質を上げるポジティブプロンプトについてはこちらで詳しく解説しています。 ➡️ 画質が劇的アップ!?「masterpiece」「best quality」などの品質向上プロンプトの効果※後日投稿
これだけは入れたい!定番ネガティブプロンプト集(コピペOK)
それでは、具体的にどのような「NGワード」をネガティブプロンプトに入れれば良いのでしょうか? ここでは、特によく使われる定番のネガティブプロンプトをカテゴリー別に紹介します。まずはこれらをコピーして試してみてください!
低品質・画質劣化を防ぐための基本NGワード
まずは、生成される画像の全体的なクオリティを底上げするための基本セットです。これらを入れておくだけで、ぼやけたり、ノイズが乗ったりするのを防ぐ効果が期待できます。
worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry, lowres
- 解説:
worst quality
,low quality
,normal quality
: これらは文字通り「最低品質」「低品質」「普通品質」を避ける指示です。AIの学習データには様々な品質の画像が含まれているため、これらを除外することで、AIが良い品質の画像を選んで生成しやすくなります。jpeg artifacts
: JPEG画像でよく見られるブロックノイズや色むらを防ぎます。signature
,watermark
,username
: 画像内に入り込んでしまうことがある作者のサインや、サイトのロゴ、ユーザー名などを描かないように指示します。blurry
,lowres
: ピンボケしたようなぼやけた表現や、解像度の低い表現を避けます。
人体の破綻(手・指・目・体)を防ぐためのNGワード
AIが特に苦手とする人体の描写、特に手や指の崩れを防ぐためのワード群です。かわいい女の子を描く上では非常に重要になります。
extra fingers, fewer fingers, bad hands, missing fingers, mutated hands and fingers, malformed limbs, missing limbs, extra limbs, fused fingers, too many fingers, long neck, mutation, duplicate, morbid, mutilated, disfigured, deformed, bad anatomy, bad eyes, crossed eyes, ugly
- 解説:
extra fingers
,fewer fingers
,too many fingers
: 指の数が多かったり少なかったりするのを防ぎます。bad hands
,missing fingers
,mutated hands and fingers
: 手の形がおかしい、指が欠けている、奇形になっている、といった描写を防ぎます。手の破綻は非常によく起こるため、これらのワードは特に有効です。malformed limbs
,missing limbs
,extra limbs
: 手足の奇形、欠損、過剰な手足を描かないようにします。fused fingers
: 指がくっついてしまうのを防ぎます。long neck
: 不自然に長い首を描かないようにします。mutation
,duplicate
,morbid
,mutilated
,disfigured
,deformed
,bad anatomy
: 奇形、重複、病的、切断、醜悪、変形、不正確な解剖学的描写全般を避けます。bad eyes
,crossed eyes
: 目がおかしい、寄り目になっているのを防ぎます。ugly
: 「醜い」と判断されるような要素を避けます。ただし、主観的な言葉なので効きすぎる場合もあります。
手の破綻は根深い問題ですが、これらのネガティブプロンプトに加え、後述する他のテクニックを組み合わせることで、かなり改善できます。 ➡️ 顔が崩れる、指が6本…?イラスト破綻を防ぐ必須テクニック(Hires. fix, Adetailer等)※後日投稿
意図しない表現・要素を避けるためのNGワード
画風の統一感を損なう要素や、構図上の不要物などを避けるためのワードです。
text, error, cropped, missing arms, missing legs, extra digit, fewer digits, multiple views, multiple panels, 3d render, photorealistic, realistic, nsfw
- 解説:
text
,error
: 画像内に意味不明な文字やエラー表示のようなものが描かれるのを防ぎます。cropped
: 体の一部が画面外で切れてしまうような構図を避けたい場合に指定します。missing arms
,missing legs
: 腕や脚が欠けている描写を防ぎます。extra digit
,fewer digits
: 指以外の体のパーツ(例えば耳など)が多かったり少なかったりするのを避ける場合に使いますが、主に指の間違いを防ぐ上記のワードで十分なことが多いです。multiple views
,multiple panels
: 一つの画像内に複数の視点やコマ割りが入ってしまうのを防ぎます。3d render
: イラストやアニメ風にしたい場合に、3DCGのような質感になるのを避けます。photorealistic
,realistic
: 同様に、写真のようなリアルな描写を避け、アニメやイラスト調を強調したい場合に使います。逆にリアルな画像が欲しい場合は、これらをポジティブプロンプトに入れます。nsfw
: 不適切・性的な表現(Not Safe For Work)を避けたい場合に指定します。より具体的にnipples
(乳首)などを指定することも有効です。
画風の調整については、こちらの記事も参考にしてください。 ➡️ 好みの画風に近づけるプロンプトと設定のコツ
より「かわいさ」を追求するためのNGワード(調整用)
これらは必須ではありませんが、生成される女の子の「かわいさ」を特定の方向に調整したい場合に試してみる価値のあるワードです。
ugly, old, wrinkles, muscular
- 解説:
ugly
: 再掲ですが、「かわいくない」と感じる要素を広く避けたい場合に。ただし、画風によっては意図しない変化を生む可能性もあります。old
,wrinkles
: 老けた印象やシワを描かないように指示し、若々しい印象を強調します。muscular
: 筋肉質な描写を避け、華奢な、あるいは標準的な体型に寄せたい場合に指定します。
これらのネガティブプロンプトはあくまで一例です。生成したい画像のスタイルや、使用するAIツール、モデルによって最適な組み合わせは変わってきます。
ネガティブプロンプトの効果的な使い方
NGワードをたくさん知っていても、使いこなせなければ意味がありません。ここでは、ネガティブプロンプトを効果的に使うためのポイントを解説します。
基本は「低品質回避」+「破綻回避」+「不要要素除去」
まずは、上で紹介した「低品質・画質劣化を防ぐための基本NGワード」と「人体の破綻を防ぐためのNGワード」をベースにするのがおすすめです。これに、生成結果を見て気になった不要な要素(例えば text
や realistic
など)を追加していくのが基本的な使い方です。
多くのAIツールでは、ポジティブプロンプトとネガティブプロンプトを入力する欄が分かれています。
汎用ネガティブプロンプトテンプレート例:
worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry, lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers, extra digit, fewer digits, cropped, worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry, ugly, duplicate, morbid, mutilated, out of frame, extra fingers, mutated hands, poorly drawn hands, poorly drawn face, mutation, deformed, dehydrated, bad anatomy, bad proportions, extra limbs, cloned face, disfigured, gross proportions, malformed limbs, missing arms, missing legs, extra arms, extra legs, fused fingers, too many fingers, long neck, cross-eyed, sketch, duplicate, ugly, huge eyes, text, logo, monochrome, grayscale, geometry, extra digit, fewer digits, ((extra arms)), ((extra hands)), ((extra legs)), ((extra feet))
※上記はかなり多めに入れた例です。ここから不要なものを削ったり、必要なものを足したりして調整しましょう。( )
や (( ))
は強調を意味する場合が多いですが、ツールによって記法が異なります。
まずは基本のプロンプトテンプレートと組み合わせて使ってみましょう。 ➡️ コピペOK!理想の女の子を作るための基本プロンプトテンプレート集
プロンプトとのバランスが重要
ネガティブプロンプトは強力ですが、入れすぎると逆効果になることもあります。例えば、「シンプル」をネガティブに入れてしまうと、背景だけでなくキャラクターの服装まで複雑になりすぎたり、「笑顔」をネガティブに入れると、無表情どころか怒ったような顔になったりすることもあります。
重要なのは、ポジティブプロンプト(何をしたいか)とネガティブプロンプト(何をしたくないか)のバランスです。ネガティブプロンプトはあくまで「補助」と考え、まずはポジティブプロンプトでしっかりと「こうなってほしい」というイメージを伝えることが大切です。
ツールごとの違いはある?
Stable Diffusion Web UI、SeaArt、Bing Image Creatorなど、様々な画像生成AIツールがありますが、ネガティブプロンプトの基本的な考え方や、よく使われるNGワードは共通していることが多いです。
ただし、ツールによっては特定のワードの効き方が強かったり弱かったり、独自の推奨ネガティブプロンプトがあったりする場合もあります。使っているツールのヘルプやコミュニティの情報も参考にしてみると良いでしょう。
効果測定:少しずつ試して調整しよう
最初から完璧なネガティブプロンプトを目指す必要はありません。まずは基本のセットを入れてみて、生成された画像を確認し、「手がまだおかしいな」「なんか画質がイマイチだな」と感じたら、関連するNGワードを追加してみる、というように少しずつ試して調整していくのがおすすめです。
この時、Seed値を固定して同じ構図の画像を生成できるようにしておくと、ネガティブプロンプトの効果を比較しやすくなります。 ➡️ 同じキャラをもう一度!Seed値固定でキャラクターや構図を再現する方法※後日投稿
どんな画像が良い画像なのか、見分けるポイントも知っておくと調整がスムーズになります。 ➡️ 生成結果を厳選!良い画像・悪い画像を見分けるポイントはここだ※後日投稿
ネガティブプロンプトを使う上での注意点
最後に、ネガティブプロンプトを使う上で知っておきたい注意点をいくつか紹介します。
万能ではないことを理解する
ネガティブプロンプトは非常に有効なテクニックですが、これだけで全ての画像生成の問題が解決するわけではありません。
- 他の設定との組み合わせ: 画像の品質やスタイルは、ネガティブプロンプトだけでなく、CFG Scale(プロンプトへの忠実度)、Steps(生成ステップ数)、Sampler(サンプラーの種類)といった他の設定値にも大きく影響されます。 ➡️ CFG Scale / Guidance Scaleとは?数値を調整して画風を変える実験※後日投稿
- 他のテクニックとの併用: 手の破綻など、特に修正が難しい部分は、Hires. fix や Adetailer といった高画質化・部分修正機能や、特定のポーズを指示できるControlNet、特定の画風やキャラクターを学習したLoRAなど、他の高度なテクニックと組み合わせることで、より効果的に改善できます。 ➡️ 顔が崩れる、指が6本…?イラスト破綻を防ぐ必須テクニック ➡️ LoRA(ローラ)って何?使い方と導入方法を分かりやすく解説【初心者向け】 ➡️ ControlNet超入門!お手本画像からポーズや構図を真似する方法※後日投稿
ネガティブプロンプトは、あくまで高品質な画像生成を実現するための「一つの要素」と捉えましょう。
モデルやLoRAとの相性
使用するモデル(Checkpoint)やLoRAによって、学習されているデータの特性が異なります。そのため、あるモデルでは非常に効果的だったネガティブプロンプトが、別のモデルではあまり効かなかったり、逆に意図しない影響を与えてしまったりすることがあります。
特に、特定の画風やキャラクターに特化したモデルやLoRAを使う場合は、配布元が推奨するネガティブプロンプトがないか確認したり、自分で試行錯誤したりする必要があるかもしれません。 ➡️ かわいい女の子生成に特化!おすすめモデル(Checkpoint)厳選紹介 ➡️ Civitai完全攻略!モデルやLoRAの探し方と安全なダウンロード方法※後日投稿
常に最新情報をチェックしよう
画像生成AIの技術は日進月歩です。新しいモデルが登場したり、ツールの機能がアップデートされたりする中で、効果的なネガティブプロンプトも変化していく可能性があります。
基本的な考え方は変わりませんが、より良い生成結果を求めるなら、コミュニティや情報サイトなどで最新の情報をチェックする習慣をつけると良いでしょう。
まとめ:ネガティブプロンプトを使いこなして理想の女の子を生み出そう!
今回は、画像生成AIで「変な画像」を回避し、クオリティを向上させるための強力な武器「ネガティブプロンプト」について、その重要性から具体的な使い方、定番のNGワード集、注意点まで詳しく解説しました。
ネガティブプロンプトのポイントまとめ:
- 「描いてほしくないこと」を指定する重要な指示。
- 低品質、人体の破綻、不要な要素の除去に効果絶大。
- まずは基本のNGワードセットから試してみるのがおすすめ。
- ポジティブプロンプトとのバランス、他の設定やテクニックとの組み合わせが重要。
- 少しずつ試して、自分の目指す表現に合わせて調整しよう!

最初は難しく感じるかもしれませんが、この記事で紹介したNGワードを参考に、まずはコピー&ペーストから試してみてください。きっと、あなたの生成する「かわいい女の子」のクオリティが格段にアップするはずです。
ネガティブプロンプトをマスターしたら、次はさらに高度なテクニックに挑戦してみませんか? 以下のカテゴリーの記事も、あなたの創作活動の助けになるはずです。
- もっとクオリティを上げたい! ➡️ カテゴリー3:クオリティ爆上げ!定番テクニック集
- 表現の幅を広げたい! ➡️ カテゴリー4:もっと理想に近づく!応用プロンプト&生成術
- 特定のキャラや画風を極めたい! ➡️ カテゴリー5:モデル&LoRA活用マスター
試行錯誤も画像生成AIの醍醐味の一つです。ぜひネガティブプロンプトを使いこなして、あなただけの理想のかわいい女の子を生み出す楽しさを満喫してくださいね!
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